テザー社、中国恒大集団のCPは保有していないと報じられる
2021.09.17
2021年9月17日 12:43 JST 時点
USドル連動型のステーブルコインUSDTを発行するテザー社は、USDTの裏付け資産に、債務不履行(デフォルト)の可能性が高いといわれている中国不動産大手中国恒大集団が発行するコマーシャルペーパー(CP)等は保有していないと一部メディアで報じられた。
テザー社は、2021年6月30日時点におけるUSDTの裏付け資産の内訳を8月に公開している。約628億ドルの準備資産の85%が「現金及び現金同等物、その他の短期預金、CP」で保有されており、さらに85%の内、CPおよび譲渡性預金証書(CD)が58%、短期国債(TB)が29%、現金および銀行預金が12%となっている。つまり、準備資産の半分ほどがCPやCDで保有している計算となる。
テザー社はCPの保有先についてほとんど情報を提供してこなかったが、今回、中国恒大集団のCPや他の証券は保有していないと言及するに至ったもよう。仮に、テザー社が中国恒大集団のCPを持っている状況で、中国恒大集団がデフォルトした場合、USDTの裏付け資産の一部が失われる可能性も十分に考えられる。裏付け資産が失われると、USDTの値段が1ドルより安くなり、USDTを購入している投資家が損失を被る可能性もある。
ステーブルコインの裏付け資産に関しては度々話題となっている。ステーブルコインを発行している企業の多くは、裏付け資産を随時公開しているため、今後も各ステーブルコインの裏付け資産の割合については注目が集まるだろう。投資家は、状況に応じて裏付け資産に対するリスクを考慮して、ステーブルコインを選択してみても良いかもしれない。
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