イニエスタ選手、暗号資産に関するSNS投稿でスペイン当局から注意と報道

2021年11月29日 11:00 JST 時点

サッカーのJ1神戸に所属するアンドレス・イニエスタ選手が、SNSで暗号資産の取引会社を宣伝するような投稿をしたことについて、スペイン当局が注意を促したことが11月27日までにわかったと報じられている。著名人が大きなリスクを伴う投資を一気に広めることで市場が混乱する恐れがあるため、ファンに正しい認識を伝える必要性を訴えたとのことだ。

イニエスタ選手は、11月24日、自身のTwitterやインスタグラムに「私はバイナンスで暗号資産を始める方法を学んでいる」と投稿。ノートパソコンの前で暗号資産交換業世界大手バイナンスで取引をしているかのような写真を載せている。このSNSに対して、スペイン証券取引委員会は、「暗号資産には規制がなく、危険を伴う」とイニエスタ選手のアカウントに返信。その上で「投資したり、他人に勧めたりする前に自分自身が知る必要がある」と指摘したとのことだ。

元スペイン代表のイニエスタ選手のTwitterのフォロワー数は約2500万、インスタグラムは約3800万と強い影響力がある。英紙フィナンシャル・タイムズによると、NPO（非営利組織）の報告書を基に440万人以上のスペイン人が暗号資産に投資し、約4割がこの資産を安全だと考えていると伝えた。イニエスタ選手の投稿は、十分な知識がないファンに暗号資産投資を促すことにつながりかねず、スペイン証券取引委員会は「リスクを伝えることも選手の責任だ」と訴えている。

暗号資産は新たな投資対象として人気の高まりとともに、価格変動が大きいことに伴うリスクや、詐欺事件などの犯罪行為から個人投資家を守る必要性が増している。欧州では金融商品としての規制や監督体制が追いついていないことから、スペインだけでなく英国も、五輪出場経験者と組んで若い投資家に注意を呼びかけるなど、著名人の発信に神経をとがらせている。

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