金融庁、ステーブルコイン発行体を銀行と資金移動業者に限定と報道
2021.12.07
2021年12月7 日 11:00 JST 時点
金融庁が法定通貨を裏付けとする暗号資産のステーブルコインに規制をかけると報じられている。発行体を銀行と資金移動業者に限ったうえで、仲介業者も新たに監督対象にするとのことだ。
ステーブルコインは価格変動が大きいビットコインなどと違い「1コイン=1円」のように法定通貨と連動するのが特徴である。ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使い低コストの決済手段になりえるため、世界の当局は規制することで安全性を高める方向にかじを切っている。金融庁は2022年の通常国会に資金決済法改正案の提出をめざすとしている。
マネーロンダリング(資金洗浄)対策も強化する。ステーブルコインの取引・管理を担う仲介業者を監督対象に加え、利用者の本人確認や、犯罪の疑いのある取引の報告など、犯罪収益移転防止法(犯収法)で定められた措置を求める。
規制導入の背景として、発行額が最も多いドル連動ステーブルコインの「テザー(USDT)」にて、裏付け資産の約半分がコマーシャルペーパー(CP)といったリスク資産だったと発覚したことが挙げられる。テザーを発行しているテザー社は、足元で発生している中国不動産大手・中国恒大集団の経営危機に絡み、関連資産を保有していないとの釈明に追われた。
米金融当局は、11月にまとめた報告書で、ステーブルコインの価値急変で利用者に損失をもたらす可能性や不正送金のリスクを挙げ、発行者に銀行並みの規制をかけるよう議会に要請した。また、欧州委員会も、2020年年9月、発行体に一定の自己資本を求める規制案を公表しており、欧米金融当局の規制強化に、日本も追随する格好となっている。
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