金融庁、信託銀行が暗号資産を管理できるよう規制緩和
2022.07.01
金融庁は信託銀行が暗号資産を管理できるように規制緩和をする、と7月1日付の日本経済新聞朝刊が報じている。
暗号資産はポラティリティが大きく、度々資金流出などの問題が起きており、暗号資産取引を行うにはリスクが伴っていた。ただ、暗号資産を信託財産として預かることが可能になるようで、信用や資本力のある信託銀行が分別管理することで売買の際の安全性が高まる。金融庁は意見募集を経て秋にも内閣府令を改正する予定だという。
海外は暗号資産を信託財産として預かるカストディ業務で先行しており、米資産運用大手フィデリティやBNYメロン、U.S.バンクなど大手金融機関が参入している。ペイパルもイスラエルに拠点を置く暗号資産カストディ企業「カーブ(Curv)」の買収を行った。個人投資家の売買以外に、機関投資家や企業の暗号資産の保有が増えたことが要因となっている。
国内でも、三井住友トラスト・ホールディングスが年内にデジタル資産を管理する信託会社をつくる。暗号資産交換業者のビットバンクと提携を行い、ビットバンクが85%、三井住友トラストが15%弱を出資して「日本デジタルアセットトラスト」を設立する。機関投資家や企業から暗号資産やNFT(非代替性トークン)などを預かって管理する。
暗号資産交換事業者も信託銀行の資産管理の仕組みを使うことで、利用を促進する効果が見込めるという。国内では、暗号資産交換所に新規上場する通貨が増加傾向にあり、IEO実施を検討している交換所も増加してきた。金融庁の規制緩和により、国内の暗号資産交換業者を運営する企業の今後の動向にさらなる注目が集まりそうだ。
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