Tether、BDO Italiaと提携して裏付け資産の内訳を月毎に公開予定

2022.08.19

米ドルのステーブルコイン「USDT」を発行するTether社は18日、大手監査法人BDOのイタリア法人BDO Italiaと提携し、裏付け資産の内訳を四半期ではなく月毎に公開することを目指していると発表した。

Tether社はこれまで、Moore CaymanとMHA Caymanの2つの会計事務所と提携してきた。今回のTether社のBDO Italiaとの提携は、MooreおよびMHAとの提携を解消することを意味する。BDO Italiaとの提携を通して、USDTを保有する顧客に対して、発行されたトークンや準備金に関する最新情報を提供し、月次報告書を補足することで透明性を大幅に向上させるようだ。BDO Italiaとは7月から作業を開始しているという。

BDOはベルギーを本部とする世界第5位の会計事務所とされている。ステーブルコインの財務監査に関して、DeloitteやKPMGといった4大事務所との契約に成功したステーブルコインは今まで存在しないようだ。Tether 社の CTO である Paolo Ardoino 氏は、「当社は、Web3 経済における安定資産として、急成長する暗号資産市場に貢献することを約束する。」と述べている。

ステーブルコインは、1:1の米ドルペッグなど一定の価値を保つように設計された暗号資産の一種で、異なる暗号資産間や資金移動に広く利用されている。USDTは、The Blockのデータによると、現在の総供給量は660億以上と世界最大のシェアを誇っている。

Tether社の裏付け資産に関する情報は、これまで多くの論争を起こしてきた。Tether社は、USDTは米ドルで1対1に裏付けられていると主張しながらも、昨年に四半期ごとの報告書の提供を開始したところ、現金以外に米国債、コマーシャルペーパーが多く含まれていた。さらには、中国のコマーシャルペーパーが含まれている可能性があるとして批判されていた。先月、同社は中国のコマーシャルペーパーを保有していないこと、コマーシャルペーパーのエクスポージャーは減少したこと、10月から11月初旬までにコマーシャルペーパーの割合をゼロにする方向性を表明した。今後も同社の動向に注目が集まりそうだ。

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