バイナンスCEO、業界支援で事業再生ファンド設立を公表
2022.11.15
海外暗号資産(仮想通貨)大手取引所バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOは14日、自身のTwitterで暗号資産業界復興に向けた「事業再生ファンド」設立を発表した。
FTX破産において、暗号資産業界に及ぼす連鎖的な悪影響を軽減するために同ファンドを設立するという。将来性があるが流動性危機にあるプロジェクトを支援していく予定で、詳細は近日中に公開するようだ。詳細を発表するまでの間に、同ファンドに応募する資格があると思われる場合はBinance Labsに問い合わせするように促した。
また、暗号資産業界以外からの共同出資者も歓迎しており、「暗号資産は消えることはない。我々はここに居る。一緒に再建していきましょう」と発信した。
ビットコイン現物取引価格は、先週の310万円台から一昨日終値時点で230万円台まで急落した。今回のCZ氏のツイートを受けて、暗号資産価格は少しだけプラスに転じて、ビットコイン価格は240万円台をつけた。一旦下げ止まったと思われているビットコイン価格だが、まだまだ油断はできない。
FTXの負債総額は数兆円に上る可能性があり、提携先企業や出資したファンドが被った影響は計り知れない。FTXの破産申請後、同社内の状況や内部事情が徐々に明らかになってきたものの、FTXに関連していた企業の被害はいまだ明確になっていない。今後は、FTXの動向だけでなく、時間経過とともに関連企業における多くの問題が表面化する可能性があるだろう。また、FTXグループの保有資産の中には多くの仮想通貨が含まれており、これらのトークンがどのように処理されるかによっても暗号資産価格には影響を及ぼすことになる。
さらに、暗号資産市場における取引所の不透明感を投資家は嫌気して、海外の一部取引所では出金手続きが殺到しているようだ。FTX騒動によって、現在も業界全体の混乱を招いているが、混乱が早期に収まることは想定しにくい。国内においては、FTX Japanがシステムの復旧やユーザー保護に向けて動いているが、連邦破産法11条(チャプター11)が同社にどのように影響するかわかっておらず、不透明感は拭えていない。引き続き、FTX関連の動向には最大の注目が集まるだろう。
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