10月27日のビットコインの動向、510万円台で推移

2023.10.27

10月27日8時時点のビットコイン(BTC)の価格は510万円台で推移している。

前日26日の米国株式市場のダウ平均は251.63ドル安(-0.76%)と続落、ナスダック総合指数は225.62ポイント安(-1.76%)、S&P500は49.54ポイント安(-1.18%)とそれぞれ大幅に下落した。7-9月期国内総生産(GDP)の予想以上の成長を受けリセッション懸念が後退した。ただ、一部主要ハイテク企業の冴えない決算に失望した売りが重しとなった。ナスダック総合指数は大幅続落、主要株価指数がそろって下落した。

暗号資産市場全体の時価総額は1兆2600億ドル(Coin Market Cap)と前日からあまり変化はない。ビットコインのハッシュレート(採掘速度)は再度年初来高値を更新して右肩上がりで推移し、主要取引所の出来高も増加傾向にある(Blockchain.com)。ビットコイン(BTC)のドミナンス(暗号資産市場全体に占めるビットコインの時価総額の割当)は、TradingViewのデータによると53.9%で推移している。

2023年1月から月足で陽線を4か月続けて形成したビットコインだが、5月は陰線を形成。6月に入ってSECのバイナンスやDefi関連銘柄への規制強化を受けて暗号資産市場全体が軟調に推移した一方で、6月後半には米資産運用大手ブラックロックがビットコインETFを申請したことを皮切りに450万円まで急騰した。7月は利食い売りが優勢となり陰線を形成、8月も軟調に推移した。9月・10月と大幅に上げ幅を広げる展開となっている。

本日のビットコインは始値514万円でスタート、その後はこう着感の強い展開となっている。直近の上昇は、グレイスケールがビットコイン投資信託(GBTC)のETFへの転換申請を米証券取引委員会(SEC)に再申請したことを背景に、米国において初となる現物型ビットコインETFの承認への期待感が膨らんでいることが要因となっている。また、SECのへスター・ピアース委員がCNBCとのインタビューで、SECが現物型ビットコインETFを承認してこなかった理由は「不可解だ」と発言した他、ブラックロックのビットコインETFのティッカーがナスダックのクリアリング機関DTCCに登録されたことが確認されたことも背景となっている。そのほか、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突によって中東で地政学リスクが高まっているなか、安全資産としてビットコインをとらえる動きも広がっている可能性があろう。年初来高値を更新するなか、引き続きビットコインの上昇が暗号資産市場をけん引するか注目しておきたい。

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