4月13日のイーサリアムの動向、上海アップグレード実装完了、現状価格には影響見られず

2023.04.13

4月13日14時時点のイーサリアムの価格は255,000円水準(Zaif)で推移している。

前日12日の米国株式市場のダウ平均は38.29ドル安(-0.11%)と5日ぶり小反落。米3月消費者物価指数(CPI)が予想を下回った一方、バーキン総裁やデイリー総裁が、追加引き締めが必要との考えを示すと相場は下落に転じた。終盤にかけて、3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の中で景気後退への警戒感が示されたことも嫌気された。金利は低下したがハイテク株も需要鈍化懸念で売られ、ナスダック総合指数は-0.85%と3日続落した。前日のコインベースは3.35%安、マイクロストラテジーは2.86%安と下落した。

米株安を引き継いで日経平均は130.12円安と28000円割れからスタート。一方、時間外取引のナスダック100先物が堅調に推移する中、値がさ株の一角が買われたほか、為替の円安基調や決算を手掛かりとした小売企業の株高などを背景に底堅く推移。日経平均は寄り付き直後から下げ幅を縮め、早々に28000円を回復すると前場終盤にはプラス圏に浮上した。その後も買い優勢の展開が続いて値を広げた。

暗号資産市場全体の時価総額は1兆2321億ドル(Coin Market Cap)と前日からほぼ横ばい推移。ビットコインのハッシュレート(採掘速度)は反転して再度上昇傾向にあり、右肩下がりで推移してきた主要取引所の出来高は反転の兆しをみせている(Blockchain.com)。ビットコイン(BTC)のドミナンス(暗号資産市場全体に占めるビットコインの時価総額の割当)は、TradingViewのデータによると48%を維持している。

本日のイーサリアムは始値25万円台でスタート、その後小幅なレンジで動意の乏しい展開が継続している。日本時間7時半頃、イーサリアムの「上海」アップグレードが予定通りハードフォークを通じて実装された。2022年のThe Merge以来の大型アップグレードとなり、ステーキングコントラクトにロックアップされているETHとステーキング報酬が出金可能となった。実装前の市場では、売り圧力につながることを懸念する声もある一方で、新たなステーキング参加者も呼び込めるのではないかと予測する意見が混在していたが、現状価格に大きな動きはない。

Glassnodeの分析によると、ステーキングされた累計1,800万ETHのうち、アップグレード後の1週間で実際に流動化するのは1%未満の推定170,000ETHに留まるという。ステーキング解除のリクエスト処理にかかる時間は、プロトコルによって決定されるため、申請から数週間〜最大数ヶ月程度のタイムラグが生じる場合があるようだ。今後、徐々にETHが市場に放出される可能性があるため、Glassnode やNansenなどのデーターサイトを逐一確認して状況を見守っていきたい。

現在のイーサリアム(ETH)の供給量は、The Mergeアップグレード後の209日間で84,489 ETH減少しており、ネットワーク利用量に応じたETHのバーン(焼却)数が増えている。

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