7月12日のビットコインの動向、7月初めに450万円台まで上昇も金利高が重しに

2023.07.12

7月12日11時時点のビットコイン(BTC)の価格は26万円水準(Zaif)で推移している。

前日11日の米国株式市場のダウ平均は317.02ドル高(+0.93%)と続伸。中国政府が追加の景気対策を検討しているとの報道を受け、景気回復期待から買い戻しが先行。12日発表の消費者物価指数(CPI)の発表を前に金利が一段と低下したことも相場を支援し、終日堅調に推移した。ハイテク株はナスダックが大型ハイテク株の影響力を制限するための行動の一環としてリバランスを実施し、指数構成銘柄を再配分する計画を発表したことを受け、買い控えも見られたが主要株価指数は終盤にかけて上げ幅を拡大した。主要株価指数がそろって上昇した米株市場を受けて、12日の日経平均は76.48円高の32280.05円と続伸して取引を開始した。その後は、売り優勢の展開となりマイナス圏に転落した。

暗号資産市場全体の時価総額は1兆1894億ドル(Coin Market Cap)と前日からやや増加している。ビットコインのハッシュレート(採掘速度)は最高値を更新した一方で、主要取引所の出来高は引き続き右肩下がりで推移している(Blockchain.com)。ビットコイン(BTC)のドミナンス(暗号資産市場全体に占めるビットコインの時価総額の割当)は、TradingViewのデータによると51.5%で推移している。

2023年1月から月足で陽線を4か月続けて形成したビットコインだが、5月は陰線を形成して終了。6月に入ってからはSECのバイナンスやDefi関連銘柄への規制強化を受けて暗号資産市場全体が軟調に推移した。ただ、6月後半には米資産運用大手ブラックロックがビットコインETFを申請したことを皮切りに、複数社が現物型ビットコインETFの上場申請を行い買い優勢の展開となり450万円まで急騰した。7月に入ってからは利食い売りが優勢となり上げ幅を縮小している。

本日のビットコインは始値431万円台でスタート、その後は売り優勢の展開となり安値427万円まで下げ幅を広げた。前週の雇用統計の結果から逼迫した労働市場が続いていることが示唆されており、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が高まっているため、積極的に買い進む動きは限定的となっている。また、米10年債利回りは一時4%を超えているほか、本日12日に米6月消費者物価指数(CPI)、13日には米6月卸売物価指数(PPI)が発表されるため、ポジション調整の売りも影響している可能性がある。

そのほか、ビットコインに対するポジティブな意見が散見され始めた。英スタンダードチャータード銀行がビットコインの価格は2023年末までに5万ドル(約706万円)、2024年末までに12万ドル(約1,695万円)まで上昇する可能性があると予想している。また、2024年米大統領選に民主党候補として出馬を表明しているロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が、多額のビットコインを保有していることが明らかになったほか、BitMEXの共同創業者であるアーサー・ヘイズ氏が「ビットコインがAIの選択通貨(The currency of choice)となるだろう」との見解を示した。

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