8月15日のビットコインの動向、427万円台で横ばい推移

2023.08.15

8月15日13時時点のビットコイン(BTC)の価格は427万円台(Zaif)で推移している。

週明け14日の米国株式市場のダウ平均は26.23ドル高(+0.07%)と小幅に続伸。根強い利上げ終了期待で買い優勢となった。中国住宅市場を巡る混乱が投資家心理を悪化させ、長期金利の上昇も重しとなったが、今週予定されている主要小売り企業の決算発表を控えて下値は限定的だった。一部エコノミストによる来年の利下げ予想に加え、ニューヨーク連銀の7月消費者調査でインフレ期待が大幅に低下し、金利先高観が緩和したためハイテク株は買い戻しが強まった。ナスダック総合指数は大幅反発、主要株価指数がプラス圏で終了した米株市場を横目に、本日の日経平均は上昇スタートとなった。買い一巡後は上値の重い展開となっている。

暗号資産市場全体の時価総額は1兆1716億ドル(Coin Market Cap)と前日から横ばい推移を継続している。ビットコインのハッシュレート(採掘速度)は右肩上がりで推移する一方で、主要取引所の出来高は再度減少傾向にある(Blockchain.com)。ビットコイン(BTC)のドミナンス(暗号資産市場全体に占めるビットコインの時価総額の割当)は、TradingViewのデータによると49.7%で推移している。

2023年1月から月足で陽線を4か月続けて形成したビットコインだが、5月は陰線を形成。6月に入ってからはSECのバイナンスやDefi関連銘柄への規制強化を受けて暗号資産市場全体が軟調に推移した一方で、6月後半には米資産運用大手ブラックロックがビットコインETFを申請したことを皮切りに、複数社が現物型ビットコインETFの上場申請を行い450万円まで急騰した。7月に入ってからは利食い売りが優勢となり月足で陰線を形成したが、8月は持ち直して420万円台で推移している。

本日のビットコインは始値428万円台でスタート、その後はやや軟調に推移している。前週9日には、現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の承認は時間の問題だと話している、とギャラクシーデジタルのノヴォグラッツ氏が明かしていた。一方で、13日には、元SECインターネット執行局長のジョン・リード・スターク氏がX(旧Twitter)で、「現在のSECは現物ビットコインETFの上場申請を承認しないだろう」とツイートした。現状、現物ビットコインETF承認に関する報道で価格が大きく動くことはないが、実際にビットコイン現物ETFが承認されるとビットコインへのインパクトは大きいため、引き続き関連報道には耳を傾けておきたい。

さて、前週注目された米7月CPIは概ね市場予想に一致した一方、前年同月比で市場予想を小幅に下回り、米8月ミシガン大消費者調査の1年先期待インフレ率も予想に反して前月から低下するなど追加利上げ懸念を緩和させる内容も見られた。ただ、食品とエネルギーを除いたコアCPI指数は前年同月比4.7%上昇したほか、米7月卸売物価指数(PPI)が予想を上回っており、結果的に米国債利回りの上昇につながった。

直近では、米国がリセッション(景気後退)を回避すると予測するエコノミストや投資家が増加している。また、米ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、米金融当局が来年6月末までに利下げを開始するとの予想を示している。強弱入り混じる内容でどっちつかずの動きが続く中、やはり今後はFOMC議事要旨(7月開催分)や今月終盤に開かれるジャクソンホール会合にも注目が集まろう。同会合ではパウエルFRB議長含めて当局関連の発言に注視しておきたい。

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