メガバンクなどの企業連合、年内にもデジタル通貨の試験発行に乗り出すと報道
2021.11.24
2021年11月24日 11:00 JST 時点
三菱UFJ銀行はじめ3メガバンクや、NTTグループなど約70社が参加する企業連合が年内にもデジタル通貨の試験発行に乗り出すと報じられている。銀行預金を裏付け資産として発行し、企業間送金や大口決済など資金用途の可能性を探り、早ければ2022年後半をめどに流通を始める計画とのことだ。
国内の大手金融機関や事業会社で構成する「デジタル通貨フォーラム」が実証実験を始め、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のほかには、三井住友信託銀行、ゆうちょ銀行などが加盟するとある。インターネットイニシアティブ(IIJ)傘下の暗号資産交換業者ディーカレットを中心に立ち上がった協議会が母体となっている。
業界の垣根を越えた企業が連携した決済基盤が実現できれば、企業間送金や大口決済のスピードをあげられるほか、送金コストを下げられる可能性もある。そして、企業間決済や電力取引、地域通貨など分野別の実証実験を年内にも始めるとのことだ。銀行預金を裏付けに発行することで信用力を高めると同時に、共通の決済基盤を整えてデジタル通貨の相互利用をしやすくする。
海外では中央銀行が発行する中銀デジタル通貨(CBDC)の導入や検討が進んでおり、中国ではデジタル人民元の実証実験が2020年から深圳などの都市で行われている。日本銀行は現時点で具体的な発行計画を持たないものの、2022年4月からは実証実験の第2段階に移行する方針とのこと。現金との交換や民間の決済システムとの連携を中心に検証する。中銀の制度設計が進めば、民間のデジタル通貨の発行にも弾みが着く可能性がある。
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