シナリオプランニングとは

 シナリオプランニングとは、「必ず起こること」を予測するものではなく、むしろ「起こるか起こらないかわからない」極端な未来を複数描き、それに備えようとする方法論である。不確実性が増す現代を生き抜くためには、考えうるすべてのシナリオ下において何が起こり、どんな世の中になるのか、自分自身にはどのような影響があるか、これらを今から仮想的に経験しておくという手法だ。仮想的な経験は「未来の記憶」と呼ばれ、実際に事が起こったときへの危機対応能力を高め、今からそれらのシナリオ下において何を準備しなければいけないかが明確化していくことになる。

 具体的には、世の中に大きな変化をもたらす複数トリガーを抽出し、その掛け算から想定される複数の未来(シナリオ)を描き出す。それらのすべてのシナリオ下において、今の自分たちの能力で対応可能かどうかを検証する。対応が不可能な場合は、現時点において何の能力を獲得すべきかを決めないといけない。すべてのシナリオに賭けるか、確率的に高そうな特定のシナリオに賭けるかは、保有資源などの制約も踏まえ、戦略的な選択が求められる。すなわち、シナリオ策定は予想ではなく、戦略的意思決定支援ツールである。

現在から未来までの時間軸や予測の正確性よりも、現時点から見て、未来の世の中の変化の可能性の幅を重視する。日々起こる変化をモニタリングすることで、どのシナリオに世の中が向かおうとしているのか、その行き着く先はどのような状態なのかを適時議論しながらシナリオに修正を加えていく動的な枠組みである。なお、このプロセスを繰り返すことにより、これに関わるチームのダブルループ学習(経営学用語。極端な未来を想像することで、危機感が醸成されるため、思考の柔軟性が高まり、既成概念を超えたアクションで問題解決ができるようになること)が促進され、イノベーションが引き起こされることを期待しているが、これらはシナリオプランニングのもう一つの目的である。

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