概要

Polygonは、インフラ開発をサポートし、Ethereumのスケールを支援するためのプラットフォーム設計です。そのコアコンポーネントはモジュール式の柔軟なフレームワーク（Polygon SDK）で、Plasma、Optimistic Rollups、zkRollups、ValidiumなどのLayer-2インフラや、プロジェクトの主力製品であるMatic POS（プルーフオブステイク）などのスタンドアロンサイドチェーンの構築と接続が可能である。イーサリアムが単一のソリューションから単独でスケールしない可能性があることを踏まえ、現在90以上のアプリケーションをホストしているMatic POSサイドチェーンとPlasmaベースの決済システムに加え、ロールアップとValidiumのサポートを追加する予定である。

成り立ち

2017年にJaynti Kanani、Sandeep Nailwal、Anurag ArjunらによってMatic Networkとして創設された。当時Plasmaはブロックチェーンスケーリング技術の最前線にあり、MaticはPlasmaドリブンのスケーリングアプローチとProof-of-Stake（PoS）サイドチェーンを備えており、ネットワーク需要が高まるEthereumを補完する存在となり、その後Matic POSは様々なアプリケーションのスケーリングオプションとしての地位を確立した。2021年2月にMatic Networkからリブランディングし、複数のLayer-2インフラをサポートする方向へ舵を切った。

最近の動向

・zkRollup関連企業の買収
Polygonは2021年8月にzkRollupによるスケーリング技術を開発するHermez Networkを2億5000万ドルで、2021年12月にはMir Protocolを4億ドルで買収した。Polygonはゼロ知識証明技術への投資を積極的に推進しており、これらの買収以外にも、アーンストヤング社と共同で構築しているプライバシー技術「Polygon Nightfall」やzk-STARKを活用したスケーリングソリューション「Polygon Miden」などの取り組みがある。

・ドナルドトランプ米元大統領がPolygonベースNFTを販売
2022年12月、ドナルドトランプ米元大統領はPolygon上に作成されたデジタルトレーディングカードNFTコレクション「Collect Trump Cards」を販売した。このNFTを集めると、トランプ米元大統領とのディナーやZoom通話ができる権利等の特典が得られる抽選に参加できるとされ、販売価格は99ドルであった。NFTの価格は販売後に高騰し、2023年3月時点でのフロアプライスは約1,000ドルとなっている。

・Polygon zkEVMメインネットβの開始を発表

Polygon zkEVMメインネットβ版までのマイルストーン

Polygon zkEVMメインネットβ版が、2023年3月27日に開始されることが発表された。Polygon zkEVMメインネットβ版は開始までに、84,000以上のウォレット生成、30万以上のブロック生成、75,000以上のZKプルーフ生成、5,000以上のスマートコントラクト実装、2回の第三者監査、半年間に亘るPolygon zkEVMパブリックテストネット、zkEVMに適用されるEthereumテストベクターの100%を合格、 プルーフ生成時間は約2分、大量トランザクションのプルーフ生成コストを約$0.06にまで低減というマイルストーンをクリアした。

出典：
https://polygon.technology/blog/to-ethereum-with-love-announcing-polygon-zkevm-mainnet-beta-on-march-27th

参考：
https://messari.io/asset/polygon/profile
https://collecttrumpcards.com/
https://www.coingecko.com/
https://decrypt.co/117317/donald-trump-nft-collection-crypto-cant-even
https://finance.yahoo.com/news/donald-trump-helps-polygon-nfts-060422995.html