DAO TOKYOが示す、未来の組織とガバナンスのパラダイムシフト

2023.04.20

以下は、フィスコ・マーケットレポーターのタマラ・ソイキナ(ツイッター@web3tama / 以下、タ)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2023年4月20日に執筆

2023年4月14日、約1300年の歴史を誇る東京の神田明神でDAO TOKYOが開催されました。DAO TOKYOは、ブロックチェーンをベースとしたコミュニティガバナンスや意思決定を可能にする分散型自律組織(DAO)にフォーカスした注目のカンファレンスで、Web3アクセラレーターのFractonVenturesが運営しました。日本国内および世界中からDAO分野のトップクラスの専門家、起業家、投資家、愛好家がDAO TOKYOに一同に集結しました。

DAO TOKYOの取材を通じて、海外からの豪華な登壇者たちにリアルタイムで様々な質問ができました。イベントへの参加を決めたきっかけ、パネルディスカッションやネットワーキングから得られたインサイト、DAOの将来について各位のご意見を伺いました。

質問「MakerDaoは、なぜこのイベントに登壇したのですか?」

MakerDAO APAC Lead ジョスリン・チャン氏

「アジアには、多くの革新的なプロジェクトやイニシアチブがあり、DAOの未来を形作るために主導的な役割を果たす機会があります。アジアでのDAOカンファレンスに参加することは、地域におけるDAOの普及、協力、多様性、イノベーションを促進するための重要な一歩です。」

質問「DAO TOKYOのフィードバックはありますか?またDAOのトレンドに関して、西洋と東洋での違いについてどのように感じていますか?」

Shibuya.xyz 共同創設者ジャッキー氏

「東洋と西洋のDAOの大きな違いは、文化的背景が異なることだと思います。DAO TOKYOは、東洋と西洋から多くのDAOが集まった素晴らしいイベントであり、多様性や協力、イノベーションを促進する上で重要な役割を果たしたと思います。さらに、オープンな議論を続けることが、みんなが共に成長し学び続けるのに最適だと思います。」

質問「ENSがイベントに協賛した意図は?」

ENS(Ethereum Name Service)コアデベロッパー マコト・イノウエ氏

「前回NYで開催されたDAO NYでコミュニティーの活気に感銘し、アジアで初となる本格的なDAOイベント成功の一助となればと思い協賛いたしました。」

質問「参加者とどのような話をした?」

「ENSカードの使い方の説明がほとんどですが、熱狂的な日本のENSユーザーからたくさん声をかけていただきました。今回イベントの参加者の中から事前登録した120名ほどの参加者に『ENSカード』というものを配布しました。これはWeb3時代の名刺のようなもので、NFCカードをスマホでタップすると参加者同士が出会ったことを証明するPOAPというNFTバッジを入手できます。自分の推しのPFPアバターがプリントされたカードを皆がお互いにタップしながらそれぞれが参加しているDAOや、これから参加したいDAOに関する話題に花を咲かせました。」

質問「DAOの今後についての意見をお聞かせください。」

「DAOというのは、目的ではなく、DeFiやNFTなどのプロジェクトの組織を管理するためのツールです。現在は、クリプト業界自体が冬の時代を迎えていますが、このような時期ほど次世代の芽となるようなプロジェクトが胎動を始めている時期なので、DAOに参加するには絶好のチャンスであり、そのDAOへの参加をもっと簡単にするツールなどがどんどん出てくればと思っています。」

質問「DAO Tokyoについて、あなたの個人的なフィードバックをいただけますか?また、DAOトレンドの西洋と東洋の違いについてどのように感じていますか?」

Curve Labs 共同創設者パトリック・ローソン氏

「DAO TOKYOは、東洋と西洋のDAOが集まった興味深いイベントであり、東洋のDAOの発展に非常に良い影響を与えたと思います。deepdao.ioなどのDAOアグリゲーターを見ると、DAOの大半が西洋を中心としていることがわかります。しかし、東洋が勢いを増すにつれ、この状況が変化すると思います。現在、西洋の主要プレイヤーであるアメリカは、敵対的な規制的圧力に苦しんでおり、Web3全体の早期市場の広いシェアを掌握するために他の地域に有利性を与えていると信じています。

DAO TOKYOは、日本の暗号資産やWeb3技術に対する規制や政治環境が急速に進化している時期に開催されました。日本の金融庁が国内取引所における外国発行ステーブルコインの制限緩和の計画を発表したことは、日本および広い地域のDeFiエコシステムに重大な影響を与える可能性があります。そのような状況下で、DAO TOKYOカンファレンスは、組織のガバナンスや意思決定に対するこの新しいパラダイムの機会と課題を探るための適時で貴重なプラットフォームを提供しました。」

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